「子育て不安の解消を」

奈良県の人口は、平成11年の146万人をピークに、現在はおよそ130万人と大幅に減少しています。特に若者の人口減少率が、ここ20年で27点7%減と著しく減少していて私が問題意識を持っていることは以前述べたとおりです。

では、奈良県の人口の増減率の内訳を見ていきましょう。

この20年、奈良県の人口の社会減率が4点21%なのに対して、自然減率が2点74%となっています。社会減率が自然減率を大幅に上回っています。つまり、他地域への転出が多いことが奈良県の人口減少の主な要因となっていると言えます。県内大学入学者における県内高校出身者の割合は全国44位となっていることからも、大学進学にあたって県外に転出・そのまま就職という流れがあることが推測されます。

​​​​​奈良市の出生率に目を移すと、1.20ポイントとなっています。全国は1.34、奈良県全体では1.26ポイントと奈良市の値は小さくなっています。(※奈良市は出生率は低いものの、14歳までの人口の転入超過が357名増となっていて、そこに関しては期待を持てる数字です)

最近は、出産一時金をめぐる議論も活発に行われていますが、なぜ出生率が低くなっているのかという原因に注目していきます。今回着目するのが、子育て中の奥さんの半分が「子育てへの不安・負担」を感じていることです。①家事や育児の分担は妻に偏っている(80%あまり)②「子育てが分からない」といったものが挙げられています。

子育て家庭の経済力を向上させていくのはもちろん重要なのですが、妊娠期からの切れ目ない子育て支援を各市町村が各家庭に行えるよう、県が各市町村を支援することが重要です。教育・保育の利用について相談や児童の預かり等を行うファミリーサポートセンターの運営などに対して、市町村への支援も行われていますがさらなる予算の増額が必要です。そして重要なのは、出産前からこうした支援の具体的内容について接することができるようすることです。これが、子育てへの安心感につながります。出産後の具体的な行動の見通しにつながると考えるからです。

子育て予算はまだまだ少なく感じています。奈良県に住む人たちが、安心して子育てできる環境を整備するため、私もともに努力したいと思います。