奈良公園駐車場料金について
奈良県議会議員・永田ゆづる(36歳)|奈良市・山添村選出|です。
【奈良公園の観光集中と駐車場料金見直しについて——観光委員会での議論から】
先週の観光・文化振興委員会では、私から「奈良公園への観光客の集中と、それに伴う交通混雑の緩和策」について質問を行いました。2030年に向けて日本全体で訪日外国人旅行者数6000万人という目標が掲げられており、奈良県でも観光消費額を4,200億円、宿泊者数を現在の約1.8倍にあたる500万人まで増加させる方針が示されています。
こうした目標の達成に向けてインバウンド増加が見込まれるなか、奈良公園への一極集中がより深刻化し、いわゆる「オーバーツーリズム」状態になるのではと懸念しています。特に土日や観光シーズンには、奈良公園周辺道路での交通渋滞が常態化しており、観光客や地域住民の双方にとって大きな課題です。
そこで私からは、奈良公園周辺にある県営駐車場の駐車料金の見直しを提案しました。現在、高畑駐車場は1日1,000円、一方で、登大路駐車場については昨年7月から料金改定され、平日1,500円、土日祝日には2,000円とされています。駐車場の料金も段階的に引き上げることで、観光シーズンにおける中心部への自家用車の流入を抑制できるのではと考えました。
また、県営駐車場の料金を引き上げることで、周辺の民間駐車場も価格設定の調整がしやすくなり、地域全体での料金体系のバランスがとれるという副次的効果も期待できます。これは交通流の抑制だけでなく、地域内の経済循環にも一定の影響を及ぼすと考えています。
この提案に対し、奈良公園室の担当者からは次のような答弁がありました。
登大路駐車場については、過去の渋滞対策として料金改定を実施し、1年ほどしかたっていないので十分な分析はできていないため、現在、値上げ後のデータを収集中であり、今後はその分析をもとに他の駐車場の料金やバス運賃とのバランスも含めた総合的な見直しを行っていくとの回答をいただきました。
私はこの答弁を受け、検討項目の一つとして「民間との連動効果」を明確に意識していただきたいと重ねて申し上げました。県営駐車場の料金設定が民間に与える影響は小さくなく、その波及効果によって奈良公園周辺の交通制御や観光の質的改善にもつながる可能性があります。
奈良の観光政策は、ただ数を追うのではなく「質の向上」や「地域への負荷の軽減」といった持続可能性を見据えたものでなければなりません。そのためには、駐車場の価格戦略も含めた、丁寧で現実的な対策が不可欠です。
今後も引き続き、現場の課題や市民・観光客双方の視点を踏まえながら、実効性ある提案を重ねてまいります。
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