奈良市・佐保川の桜並木や吉野山でクビアカツヤカミキリの被害

奈良県議会議員・永田ゆづる(36歳)|奈良市・山添村選出|です。

奈良の桜を守り抜くために ― クビアカツヤカミキリ被害拡大を受けて

非常に残念な知らせが届きました。奈良を代表する桜の名所・吉野山の上千本において、“クビアカツヤカミキリ”による侵食の痕跡「フラス」が初めて確認されたという報道です。
ことし7月には、奈良市内でも佐保川沿いの桜で被害が相次ぎ、地域の方々と確認したところ、すでに5本ほどの桜に侵食の疑いが見られました。

クビアカツヤカミキリは、中国などを原産とする外来種で、桜や梅の木に寄生し内部を食い荒らすことで枯死させる極めて厄介な昆虫です。奈良県内ではこれまで大和高田の「高田千本桜」など県西部で被害が報告されていましたが、ついに県を代表する2つの桜の名所 ― 佐保川と吉野山 ― にまで被害が広がりました。
これは奈良の自然と観光にとって極めて深刻な事態です。

私はこれまで経済労働委員会で、「佐保川の桜並木を守る外来種対策」を取り上げ、県として現場の実態を把握し、市や観光業界、地域住民と連携した総合的な対策を求めてきました。
今回の吉野での被害確認は、まさにその危機が現実となったことを示しています。これまでの西部中心の被害分布が、ついに東部・中部にまで及び始めたことは、県全体での警戒体制の強化が急務であることを意味します。

現場では、侵食木の伐採や薬剤注入といった防除作業が行われていますが、再発防止には限界があります。県として、科学的データに基づく分布調査、早期発見体制の強化、そして市町村間の情報共有ネットワーク構築が不可欠です。
また、被害の拡大を食い止めるためには、農業・林業・観光といった分野を越えた横断的な対応も求められます。

春、桜が咲き誇る奈良の風景は、県民にとって誇りであり、世界中から観光客を惹きつける文化資源でもあります。
この美しい景観を次の世代へ残すため、私は今後も議会でこの問題を取り上げ、県全体での対策強化を強く訴えてまいります。

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