奈良市・松伯美術館で日本画家 上村淳之さんの追悼展
奈良県議会議員・永田ゆづる(36歳)|奈良市・山添村選出|です。
【日本画家・上村淳之さんの世界にふれるひととき──松伯美術館で追悼展】
奈良市に住む私にとって、身近な文化の場である「松伯美術館」で、心温まる展示会が開かれています。昨年11月、91歳で逝去された日本画家・上村淳之さんの追悼展です。
上村さんは、日本画壇の名門に生まれました。祖母は明治〜昭和期の美人画の巨匠・上村松園、父は近代日本画を代表する上村松篁。三代にわたって脈々と受け継がれる美意識を背景に、上村さんは“花鳥画”という日本画の伝統に新しい息吹を吹き込んできました。
特に、四季の移ろいの中で生きる鳥や花々を、繊細かつあたたかい視線で描き続けた上村さんの作品は、見る人の心にやさしく寄り添います。令和4年にはその功績が讃えられ、文化勲章を受章されました。
今回の展示では、松伯美術館が所蔵する約80点が一堂に会します。30代のときに描かれ、今回が初公開となる《孔雀》は、親子5羽のクジャクがオレンジ色の背景で寄り添う構図が印象的。まさに、若き日の試行錯誤と情熱がにじむ作品です。
一方、晩年の代表作《丹頂》では、満開の桜のもと、静かに片足で立つタンチョウヅルが描かれており、命の尊さや静けさが画面いっぱいに広がります。年齢を重ねてなお深まる表現力に、見る側も心を打たれます。
展示は7月13日(土)まで。美術館館長としても尽力された上村さんの集大成とも言える本展は、世代を問わず多くの方にご覧いただきたい内容です。地元の宝を再発見し、奈良の文化の奥深さを体感する貴重な機会です。ぜひ足をお運びください。
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