奈良市議会議員 太田こうじ議員の市政報告会に参加
奈良県議会議員・永田ゆづる(36歳)|奈良市・山添村選出|です。
【奈良市議会・太田こうじ議員の市政報告会に参加して】
本日、奈良市議会議員・太田こうじさんの市政報告会に伺い、太田さんとのトークセッションに参加させていただきました。太田さんとは、これまでも議会活動や地域課題への取り組みの中でたびたび意見交換をしてきましたが、今日あらためて太田さんの市政に対する真摯な姿勢や、現場感覚に基づいた課題意識に深く共感するとともに、私自身も大いに学ばせていただく機会となりました。特に、子育て政策やインフラ整備に予算配分するためにも“行財政改革”が必要という太田さんの熱い想いが印象に残りました!太田さんは、この行財政改革の一環として、大型事業の計画などで年々変化する財政状況をにらみ、財政計画を毎年柔軟に微修正したり、多額の修繕費用が必要な公共施設を個別に計画管理したりすることの必要性を訴えてきました。
きょう、私が申し上げたのは奈良市が直面している財政の厳しさについてです。
奈良県の市町村振興課という部署が、県内39市町村の財政状況について「健全かどうか」を示す指標を公表していますが、奈良市は令和元年から令和4年度決算までの間、財政健全化の指標で「重症警報」が発令されていた自治体のひとつでした。これは、五條市、宇陀市、平群町、河合町と並んで、県が「危機的状況」と認定したもので、財政運営の厳しさが際立っていた証左です。
令和5年度決算でようやく奈良市はこの「警報」の対象から外れましたが、それでも財政状況が改善したとは言い難いのが現実です。例えば、奈良市の財政調整基金(いわゆる市の貯金)は、標準財政規模に対する比率で8.2%しかなく、全国平均の24.3%に比べると3分の1以下という状況です。県内39自治体の中でも最低水準であり、これは将来の不測の事態に備える「備え」に余裕がない状態であることを意味しています。
その一方で、議会には「限られた予算をどう配分するか」という極めて難しい判断が常に求められています。例えば、奈良市議会の3月議会では、物価高騰対策としてプレミアム商品券事業に6億6500万円を投じる議案が審議されました。この財源には国の交付金も含まれていますが、市の財政調整基金を取り崩す議論もあったとのことで、限られた財源の中で、市民の暮らしを守るために今やるべきことと、将来のために温存すべきものをどう見極めるか、これはまさに市政に問われる姿勢です。
これまで、太田さんは議会でのチェック機能を果たすべく、小中学校8校で年間7300万円もの民有地賃借料が発生している現状を取り上げ、適正性を問いただしてこられまして、大変共感を覚えます。税金の使い道については「当たり前に使われていると思われるもの」にも目を光らせ、必要なら見直す姿勢が求められます。予算の使い方を見直すのは痛みも伴いますが、将来世代にツケを回さないためには必要な決断です。
また、今日のトークセッションで私が話題にあげたのが、近鉄大和西大寺駅周辺の「開かずの踏切」問題です。私自身も奈良県議会で取り上げてきた課題であり、特に西大寺・伏見地区の人口がこの5年間で5.3%、過去20年で15.2%も増加していることを踏まえると、渋滞の深刻化は避けられません。駅前には商業施設、塾などが集積し、日々多くの車が行き交っています。大和西大寺駅すぐ西側の踏切では、1時間のうち51分も遮断機が下りているという状況で、これは地域住民の生活の質に大きな影響を与えています。
県としては高架化の方針を打ち出していますが、事業費の見通しや市の財政負担を理由に、市側が積極的に協議を進められていない現状があります。高架化は街の分断解消やまちづくりの核としても極めて重要な課題であり、奈良市と奈良県が連携をしながら前を向いて進んでいかなければいけません。
太田さんは、難しい課題にも真正面から向き合い、議会の中で着実に提言を重ねてきた議員の一人です。特に、現場での声を大切にし、数字やデータをもとに冷静な議論を行う姿勢には、私も大いに刺激を受けています。地域の暮らしを守るために、議員として何をなすべきか。決して「目立つこと」や「ウケを狙うこと」ではなく、「今、何が必要か」をしっかり見極めて発信する。これは市議会でも県議会でも共通して求められる資質で、私も大いに勉強になりました。
奈良市の課題は、財政、教育、子育て、介護、まちづくり、交通インフラと多岐にわたります。限られた財源の中で、優先順位を決め、やるべきことをやる、できないことはできないと説明責任を果たす。そして、将来を見据えた持続可能な地域社会の実現に向けて、市と県がしっかりと連携し、一歩一歩前に進めていく。そのためには、太田さんのように、地域の声を的確に政策に反映させ、時に厳しい指摘も行える議員の存在が不可欠です。
私も奈良県議会の立場から、奈良市のまちづくりを支えるべく、これからも全力を尽くしていく所存です。そして、今日のような場を通じて、県と市、議員同士の対話を積み重ね、地域の課題を「自分ごと」として共有し、解決に向けた一歩を共に踏み出していきたいと思います。
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