奈良県 ツキノワグマにGPS機能 追跡対策
奈良県議会議員・永田ゆづる(36歳)|奈良市・山添村選出|です。
【ツキノワグマの出没増加──県民の安心と山間地域の安全対策を急ぐ】
近年、奈良県内でツキノワグマの目撃情報が急増しています。
昨年1年間で寄せられた報告は145件にのぼり、記録が残る平成17年以降で最多となりました。さらに昨年4月には十津川村で実際に人が襲われるという深刻な事故も発生しており、もはや「珍しい話」ではなく、現実に人々の暮らしと隣り合わせのリスクとなっています。
ツキノワグマは本来、臆病で人を避ける性質がありますが、山間部でドングリなどのエサが不足したり、人間の生活圏にゴミや作物などの誘引物があると、行動範囲を広げ、民家近くにまで現れるようになります。奈良県は紀伊山地を中心とした豊かな自然に恵まれている一方で、過疎化が進み、里山と人家の境界が曖昧になってきたことも、クマの出没が増える背景にあると考えられます。
こうした状況を受け、奈良県は今年度から、捕獲したツキノワグマにGPS機能付きの首輪を装着し、行動パターンの追跡調査を行う取り組みを始めました。これは、クマの行動エリアを把握し、将来的には人が住む地域に接近した際、住民にリアルタイムで警告を発する仕組み作りにもつなげる計画です。
現代のクマ対策は「駆除一辺倒」ではなく、「共存」と「予防」がキーワードです。クマの生態を科学的に理解しながら、里への誘因を減らす取り組みや、地域ごとの防災訓練、見守りネットワークの整備が求められます。
とりわけ山間部や中山間地域を多く抱える奈良県にとっては、命と暮らしを守る重要課題です。 調査結果を防災体制の強化や住民への情報共有に結びつけていけるよう、県に対しても迅速な対応を求めてまいります。
「山と生きる」という奈良の在り方を守るために、科学と住民の知恵を活かした新しい共存モデルが今、問われています。
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