奈良県 救急医療体制の逼迫解消のためにどう考えるべきか 奈良県議会で質問
奈良県議会議員・永田ゆづる(36歳)|奈良市・山添村選出|です。
私は、2025年3月の県議会予算委員会で年末年始の救急医療体制について質問しました。
年末年始における救急医療体制の逼迫が特にことしは指摘されました。コロナやインフルエンザの流行により、救急車を呼んでも家庭までの到着が遅れ、迅速な病院搬送が行われないという県民からのご意見が多数寄せられました。令和6年間の県内救急出動件数は6万942件、1ヶ月で平均約5000件とされるが、令和6年12月は6176件、令和7年1月は6316件と、年末年始に急激な増加が見られます。この現状は、急な病気や怪我の際に迷わず救急車を呼べるよう、電話相談窓口「♯7119」を設けた結果とも捉えられますが、一方で医師や看護師などの医療従事者が計画的に休息を取れず、急激な搬送要請に対応が追いつかない事態も招いています。
また、救急車は原則無料で利用できるため、搬送患者の半数は入院不要の軽症者であると指摘されています。極端な例ではありますが、たとえば、蚊に刺されて痒みが出る、または海水浴で日焼けして軽い痛みを訴えるケースもあります。こうした軽症患者の増加は、本当に救急医療を必要とする方々へのサービス低下を招く懸念があり、現状の運用方法は大きな課題です。消防庁のデータからも、奈良県における軽症搬送の割合は全国平均より高いとされ、年末年始における医療従事者の働き方改革との調整も急務となっています。
こうした中、他県では対応策として、選定療養費制度の導入が進められています。昨年12月、茨城県は、緊急性の低い症状で大病院(200床以上)へ搬送された患者に対し、紹介状なしで受診する場合、7700円以上の費用を徴収する仕組みを制度化しました。また、三重県松坂市でも同様の取り組みが6月から開始され、不要な搬送の抑制と大病院への過剰集中の防止に寄与しています。
私の考えとしては、まず「必要な人に必要な救急医療を」提供することが最優先でありながら、救急車の無差別利用による現場の逼迫を是正するため、他県の先進的な取り組みを参考にし、奈良県としても選定療養費制度など多角的な手法の導入を検討すべきだと考えています。今後は、現状の救急出動データや医療従事者の実態を綿密に分析し、国の施策とも連携しながら、奈良県独自の救急体制改善策を具体的に策定していく必要があります。これにより、本当に救急医療が必要な県民に対し、迅速かつ適切な医療サービスが提供され、医療現場の負担軽減にもつながることを期待している。
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