奈良県 百日せき感染増加 医療機関受診を

奈良県議会議員・永田ゆづる(36歳)|奈良市・山添村選出|です。

【百日せきの感染急増に警戒を――奈良県でも過去最多、県としての対策を強化すべき時】

現在、子どもを中心に広がっている「百日せき」の感染が、全国で深刻な状況となっています。全国では4月20日までの1週間で1884人と、過去最多を4週連続で更新。これまでの記録を大きく上回る勢いで患者が増加しています。

そしてこの流行は、奈良県内でも例外ではありません。県の発表によると、同じ週の県内患者数は11人と、前週(6人)から倍増。統計を取り始めた2018年以降、1週間の患者報告数としては最多となりました。今年に入ってからの累計患者数もすでに32人と、昨年1年間の合計(18人)を大きく上回っています。

百日せきは、激しい咳が続く細菌性の感染症で、特に生後6か月未満の乳児が感染すると重症化や死亡のリスクが非常に高くなります。しかも、大人が感染しても軽症のことが多く、風邪と見分けがつかずに周囲に感染を広げてしまうケースもあるため、注意が必要です。

この感染拡大を受けて、日本小児科学会は「生後2か月を迎えたら速やかにワクチン接種を」と呼びかけています。また、注目すべきは妊婦へのワクチン接種によって、胎児に抗体を移行させる“母子免疫”の活用が、海外ではすでに広く行われているという点です。欧米やオーストラリアでは、妊娠後期にワクチンを接種することで、生後間もない乳児の重症化を防ぐ取り組みが一般化しています。

一方、日本ではまだワクチンの認可や研究の蓄積が不十分なため、母子免疫の導入には慎重な議論が必要です。しかし、最近の国内研究では、妊婦が接種したことで乳児に十分な抗体が移行したことが確認されており、安全性の面でも問題がなかったというデータが出てきています。奈良県としても、こうした研究成果に注目しながら、感染拡大を防ぐために以下のような対応が求められます。


■奈良県として今後取るべき主な対策

乳児へのワクチン接種の徹底周知
 市町村や保健所と連携し、出産後2か月を迎えた家庭に確実に情報が届く仕組みを強化すべきです。

長引く咳への早期受診の呼びかけ
 大人の軽症例が感染源になっている可能性もあるため、「風邪かな」で済ませず、早めの受診を促す広報が重要です。

妊婦への情報提供と検討体制の構築
 現時点で国が積極推進していないとはいえ、妊婦に対する百日せきワクチンの有効性が確認されつつある今、県としても医師会や産科医と協議し、希望者に対して接種と相談が可能な体制づくりを検討する必要があります。


感染症から子どもたちを守ることは、行政の責務です。奈良県内でもすでに警戒すべき水準に達している今、私たち議員も厚生行政に携わる一員として、現場の声を受け止め、必要な対応を速やかに促してまいります。地域の皆さまも、せきが長引く際は「大丈夫」と自己判断せず、医療機関への早期受診をお願い申し上げます。

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