奈良県所有者への文化財補修支援を

奈良県議会議員・永田ゆづる(36歳)|奈良市・山添村選出|です。

【奈良県指定文化財の維持支援―金銭面だけでなく技術的サポートも充実させるべき】

先日の県議会予算委員会では、奈良県指定文化財の補助について、私が金銭面の補助だけでなく、技術的なサポートの充実も図るべきだという立場から質問を行いました。台風で瓦が飛んだり、屋根が損傷するなどの被害が発生した場合、伝統的な建築様式を維持するためには、所有者が修復費用を自力で賄うのは非常に困難です。特に、文化財の所有者は高齢の方が多く、補修方法や資金調達に苦慮されるケースが目立ちます。

県としては、現在584件の指定文化財を今後、619件へと増やす取り組みが進められていますが、指定されることにより修復時の制約が生じるデメリットもあります。例えば、カヤぶきの建物の場合、伝統的な技法でしか修繕できないため、費用負担が大きくなるのは避けられません。このような事情から、単に補助金の比額を上げるだけではなく、修復に必要な技術支援や、専門家のアドバイス、さらには最新の修復技術の普及といった面でのサポートも強化すべきだと考えています。

この質問に対して奈良県は、全国的な課題である文化財修復の財源確保について、クラウドファンディングやふるさと納税を活用する取り組みが進められていると説明されました。確かに、これらの制度は一部成功事例もあり、文化財の修復費用の一助となっています。しかし、これらの制度は主に金銭的な支援にとどまっており、技術面でのサポートに関しては、まだ十分な支援体制が整っていないのが現状です。

資金調達の方法についても習得できるようなサポートがあれば、伝統的な建築技法を守りながら、効率的かつ質の高い修復作業が実現所有者の負担も軽減されるはずです。また、所有者が安心して文化財を次世代に継承できる環境を整えることは、奈良県全体の歴史・文化の価値向上にも大きく寄与すると確信しています。

今後も、関係部局と連携し、文化財の維持管理に必要な資金調達や技術支援の充実に努め、奈良県の誇る文化財が安心して保護されるよう、具体策の検討と実施を進めていく所存です。

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