奈良県議会 一般質問でK-POPコンサートを質問
奈良県議会議員・永田ゆづる(36歳)|奈良市・山添村選出|です。
奈良県と韓国・忠清南道は2011年10月に友好提携都市となり、交流が行われてきました。歴史的にも関係が深い都市との国際交流が重要なのは言うまでもありません。
こうした中、奈良県が忠清南道との国際交流を目的に発表した計画は、2億7500万円の公金をかけ、奈良公園・春日野園地を会場に、K―POPコンサートなどを開催するというものでした。9000人もの観客を無料招待するもので、多額の公金を投入して、県が行うイベントとして妥当性があるのか。交流の具体的な実像はどうなのか、次々と疑問が湧いてきました。無料招待の対象が奈良県民かどうか決まっていない中での発表で、私はK―POPコンサートの開催に反対しました。
振り返ると、県議会で初めてこの話題が出たのは去年3月でした。山下知事は、平城宮跡の催しに少なくない公金が投じられていたと述べた上で、K―POPコンサートを開く際には、なるべく公費を使わない考えを示すとともに、忠清南道にあるK―POPのアイドル養成学校で勉強しているアマチュアを呼ぶことを想定されていました。流れを時系列で見ていきたいと思います。
まず、令和6年2月15日、夜7時半から夜10時、山下知事はキム知事と2人で懇談。ここで、2025年にK―POPコンサートの開催に合意。
そして、令和6年4月16日、奈良公園・春日野園地を会場にするよう、山下知事が県職員に検討を指示。
4月18日、奈良県と忠清南道の職員が実務者協議を行う。ここで、忠清南道から次のことが伝えられる。韓国の選挙法を理由に、2025年3月〜4月、もしくは2025年9月〜11月に開催してほしい。コンサートの演出は花火・爆竹が標準の内容。有料イベントにはできない。
4月24日、知事は県職員から4月18日の実務者協議の結果報告を受け、有料イベントができなくなったことは想定外だと発言。
9月中旬、この頃までに複数のイベント会社から県にコンサート代金の見積もりが提出される。知事は、代金が思ったより高いと驚く。
12月、議会に総額2億7500万円のK―POPコンサートの予算案が提示される。
以上、時系列で辿ると、知事にとって、想定していない内容が判明する場面がいくつもありました。忠清南道との交渉では、言うべきことは言うという毅然とした態度で交渉することはできなかったのでしょうか。その都度、判断を変える、撤退も含めて考え直すことはできなかったのでしょうか。どのような契約なのか、代金がいくらかかるのか、早期の段階から様々な想定をして、協議をしていくという慎重さが必要だったのではないでしょうか。
知事はコンサート開催により経済効果があることや、県のPRになることを理由にK―POPコンサートの必要性を訴えました。しかし、経済効果については、そもそも県は試算さえしていません。無料招待する対象が県民なのかどうかも決まっていなく、この試算もない中では、知事が日頃より最も重視している“費用対効果”について、確信のないまま突き進んだと言わざるを得ません。
その後、さまざまな批判もあり、大幅縮小して2900万円案となりましたが、当初案からの変化も著しく、経緯のほか、コンサートの目的として挙げていた経済効果を踏まえるとすれば、一貫性に欠けるのではないでしょうか。その上で、知事にお伺いします。
(質問本文)
奈良県と韓国・忠清南道の交流事業として行われるK―POPコンサートについて、当初の2億7500万円案は、多額の公金を使うことへの是非や妥当性の議論のほか、費用対効果があるとの確信が十分でないまま計画が進められたと考えられるが、どのようにお考えでしょうか。
加えて、規模を縮小した2900万円案は当初案と比べて変化が著しく、目的等の一貫性を見出しにくいと考えますが、知事の考えをお聞かせください。
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