奈良県議会 訪問看護師の離職率防ぐための対策を要望
奈良県議会議員・永田ゆづる(36歳)|奈良市・山添村選出|です。
先日の奈良県議会予算委員会で、私は「訪問看護師の離職率をいかに抑え、安心して働ける環境を整えるか」というテーマで質問を行いました。なぜこの問題を取り上げたかといえば、訪問看護という業務形態において、看護師全体よりも高い離職率が生じていることが背景にあります。具体的には、令和4年度の看護師(正規雇用)の離職率が11.7%である一方、訪問看護師では17.7%と約6ポイントも高く、深刻な現状がうかがえます。私自身、県内の訪問看護事業所から「小規模で人員に余裕がなく、拘束感や呼び出しへの負担が大きい」「患者や家族からのハラスメントが後を絶たず、精神的に疲弊する」といった切実な声を聞き、これらを県の施策に反映させる必要を強く感じました。
特に、カスタマーハラスメントへの対策が急務だと考えています。訪問看護師がハラスメントを受けた割合は、令和4年度で73%、令和5年度には77.2%にまで増加しています。そのうえ、「具体的にどう対応すればよいかわからない」と回答した人が6割近くにのぼるという調査結果もあるのです。これでは、看護師が仕事のやりがいを感じる前に、心身ともに追い詰められてしまいます。実際、利用者や家族から暴力を受けた看護師のうち、「もう訪問に行きたくない」と思った人が73.4%、「仕事を辞めたい」と考えた人が25.8%に達しており、離職を防ぐためにはハラスメントへの明確な対応策が不可欠です。
そこで私は、まず事業所としてハラスメント発生時に対応できるよう、県のマニュアルを整備し、被害を受けた看護師がすぐに相談できる体制を強化するよう求めました。アンケートでも「今後の対応について明確に示してほしい」という声が最も多く、次いで「複数人で訪問する体制をつくってほしい」という要望も挙がっています。また、ハラスメントを行った利用者には、場合によっては訪問看護を受けられなくなるなどのペナルティを設けることで、抑止力を働かせられないか検討を進めてほしいと提案しました。訪問看護師が安心して働ける仕組みを整えなければ、医療や介護を必要とする県民の生活を支える基盤そのものが揺らいでしまいます。
私がこの質問を行ったのは、県民の皆さんが自宅で安心して医療や介護を受けられるようにするには、まず現場で働く看護師がやりがいと安全を感じられる環境が不可欠だと痛感しているからです。今後、県がどのような対策を講じるかを注視しつつ、引き続き現場の声を拾い上げながら、離職率の改善や訪問看護師の支援体制強化に向けて取り組んでまいります。こうした議会での質疑内容や提案は、ブログを通じて皆さんに共有し、さらに広く意見を募っていきたいと考えています。
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