奈良県議会予算委員会 K-POPコンサート反対しました

  奈良県議会議員・永田ゆづる(36歳)|奈良市・山添村選出|です。

いつも奈良県議会にご関心を寄せていただき、ありがとうございます。今回は、昨日(3月18日)の県議会予算委員会で行った質問と、その結果についてご報告いたします。令和7年度予算案の審議が進むなか、私は県が計画している「K-POPコンサート開催予算」に対して、強く疑問を呈し、これに反対いたしました。一方で、物価高騰対策や社会福祉、教育、産業振興など、他のすべての予算項目には賛成しており、今回の反対はあくまでも“K-POPコンサートのみ”が対象であることを、まず強調しておきたいと思います。

 今回のK-POPコンサートは、奈良県と韓国・忠清南道との交流事業の一環として、当初、2億7500万円という予算案が示されました。しかし、わずか短期間のうちに2900万円へと大幅に変更され、特に、当初案では、行政内部での十分な議論が行われた形跡が見えにくい点が大きな問題です。県庁内の組織的な検討が不十分であったと考えられることや、具体的にどのような費用と効果を比較して判断したのかという問いに対し、明確な回答は得られませんでした。今年度から平城宮跡の天平祭は廃止されていたので、どのような基準で事業を進めるのかややめるのか、その判断の線引きを探ろうとしましたが、それが不明確といえます。

 また、この交流事業は本来、奈良県と忠清南道の友好提携15周年を記念して行われるもののはずでした。ところが、韓国側の選挙の事情などにより、実際には提携14年目となる今年に事業を実施せざるをえない状況だという説明があり、そもそもの“15周年事業”という位置づけが曖昧になっています。加えて、K-POPコンサートの無料招待対象者もまだ決まっておらず、奈良県の若者だけに焦点をあてたわけでもないという答弁があり、趣旨や目的が見えにくいままです。奈良県の公金を投じる以上、その目的が定まらない事業にお金をかける妥当性について疑問を投げかけました。

 さらに、当初案と現在案の間で大きく事業内容が変更されたにもかかわらず、その理由を「議会の動きがあったから」と述べるばかりで、当初案の反省点を明確にしようとしない姿勢にも問題があります。多くの県民の皆さまからも、これほど短期間で予算が大きく変わることや、そもそもK-POPコンサートに対して公金を投入する意義について、疑問の声が寄せられているのが現状です。知事が普段から「費用対効果」を重視するとおっしゃっているにもかかわらず、今回のケースでは具体的な効果の測定や、支出金額に見合った成果が得られる根拠が示されないまま進んでいる印象を拭えません。

 こうした経緯から、私は令和7年度予算案のうち、私は物価高騰対策など、県民生活を支える他の予算項目には賛成していますが、K-POPコンサートに関する予算だけは容認できないと判断し、予算委員会での審議において明確に反対の意志を示しました。この結果、賛成3人、反対6人で予算案を否決しました。3月25日の県議会本会議ではこの「K-POP予算のみを削除する修正予算案」を提出する予定です。

 もちろん、私は韓国・忠清南道との交流そのものを否定しているわけではありません。両地域の友好を深めることは大変意義がありますし、特に15周年という大きな節目を活かして、交流を促進することには大いに賛成です。ただし、現時点では開催時期も含めて問題が多く、忠清南道側の選挙の都合によって真の15周年を迎える2026年に実施できないというのも納得しがたい事情です。一旦、この事業を白紙に戻し、15周年を迎える2026年の秋頃を視野に入れた上で、より県民の理解が得られる交流事業を検討すべきだと考えています。

 たとえば、K-POPという一つのジャンルだけにとらわれず、奈良県と忠清南道の双方にとってメリットのある文化・芸術交流や、若者同士の学術交流、さらには経済連携や観光促進策など、長期的に見て効果を生み出す取り組みが望ましいのではないでしょうか。県が掲げる目的や期待する成果が明確であればこそ、公金支出の正当性が説明できるはずです。ところが、今回の短期間での大幅な予算変更や目的の不透明さでは、県民の皆さまに十分な納得を得られないと思います。

 今後も私は、議会の場を通じて、県政における公金支出の妥当性と費用対効果の検証をしっかりと行ってまいります。令和7年度予算のうち、K-POPコンサート開催予算だけには反対せざるをえなかったものの、これからも県民生活を支える施策には積極的に賛同し、必要な予算を確保するために尽力していく所存です。今回の件を機に、県庁内でも改めて「何のために、誰のために事業を行うのか」という原点に立ち返った検討が進むことを期待しています。

 最後に、議会活動の状況や私自身の意見については、引き続きブログやSNSなどで報告を続けてまいります。皆さまからのご意見・ご質問も大歓迎ですので、ぜひお気軽にお寄せください。今後とも奈良県の発展と県民の皆さまの幸せを実現するため、誠心誠意努力してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

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