南海トラフ巨大地震 奈良県で災害関連死対応を
奈良県議会議員・永田ゆづる(36歳)|奈良市・山添村選出|です。
【南海トラフ巨大地震と「災害関連死」──奈良が抱える静かな危機に向き合う】
12月県議会の本会議にて、私は「災害関連死」の問題について質問を行いました。これは、地震や津波そのものによる直接死ではなく、避難生活の中での体調悪化や適切な医療が受けられなかったことなどによって亡くなるケースを指します。災害が大きければ大きいほど、この「関連死」は急増します。
ことし3月、国が南海トラフ巨大地震の被害想定を見直し、初めて“災害関連死の人数”を公表しました。その数、全国で最大5万2,000人。東日本大震災の10倍を超える衝撃的な数字です。
この現実は、「地震そのものだけでなく、その後の生活こそが多くの命を奪う」という厳しい事実を突きつけています。
南海トラフ地震では、奈良県も例外ではありません。津波による直接被害はありませんが、広域災害となることで、薬や生活用品などの救援物資が優先的に届きにくくなります。
避難者数は県内で最大33万7000人と見込まれていますが、物資不足が長引けば、災害関連死が県内でも増える可能性が十分あります。
しかし、私が最も問題だと感じているのは、「災害関連死の認定体制」が県内で整っていないという現実です。
災害関連死であるかどうかを判断するのは、市町村が設置する「審査会」という機関です。
遺族への弔慰金や支援を受けられるかどうかを決める非常に重要な役割を担っています。
ところが奈良県内で、この審査会設置に必要な条例を整備している市町村は、わずか6つにとどまっています。
国は2019年に条例制定を市町村の努力義務にしましたが、県内ではほとんど進んでこなかったのが現状です。
巨大地震が起きた直後の混乱の中で、条例を整え、委員を集め、審査会を立ち上げることはほぼ不可能です。
審査会がなければ、災害関連死の認定はできず、支援が遺族に届かない。
これは本来守るべき人々の苦しみを長引かせることになり、私はこの点に強い危機感を抱いています。
そこで本会議では、福祉保険部長に対し明確に問いました。
「災害関連死が増える恐れがある奈良県で、審査会設置がこれほど遅れている。県として積極的に支援し、市町村の取り組みを後押しすべきではないか」
災害関連死は“防げる死”です。
適切な支援体制と迅速な医療・物資供給、そして何より制度的な準備が整っていれば、多くの命を救うことができます。
奈良県が直面しているのは、派手さのない、しかし非常に深刻な課題です。
大地震は必ず起こります。その後の生活でどれだけ命を守れるかは、今、どれだけ備えられるかにかかっています。
私は、県と市町村が連携し、奈良の「災害関連死ゼロ」を本気で目指すべきだと強く考えています。
議会の場での提起にとどめず、制度づくりの後押しをこれからも粘り強く続けていきます。
永田ゆづるのホームページ https://yuzurunagata.jp/
永田ゆづるのX(旧Twitter) https://twitter.com/yuzuru_n_nara
