奈良県議会 吉野杉など県産木材の生産量増に向けて質問

奈良県議会議員・永田ゆづる(36歳)|奈良市・山添村選出|です。

今、世界では木材価格が大きく動いています。円安や海外の木材価格の高騰、さらに欧米での和食人気の広がりなどを背景に、国産材のニーズがはっきりと伸びています。
高級寿司店のカウンターや、醤油醸造用の木桶など、これまで海外材が多かった分野でも、国産材――奈良県産のスギやヒノキも使われ始めています。

県内の原木市場の数字を見ても、その動きは顕著です。ことし6月まで(1〜6月期)の取扱高は、スギが前年同期比20.5%増、ヒノキも4.3%増、原木全体でも10.9%増と、とても力強い伸びを示しています。

五條市に新しい木質建材工場 県産材需要を大きく押し上げる

こうした流れを受けて、2028年4月には五條市に新しい木質建材工場が稼働する予定です。場所は五條北インターチェンジの東側、西阿田町付近で、車でおよそ7分ほどのところ。分譲マンションを手がける大手ゼネコンが建設し、操業を開始します。

この工場では、奈良県と和歌山県のスギを使い、マンションの内装の壁や天井の「下地材」を製造します。年間の生産量は、1万5000立方メートルを奈良県産材で賄う見込みと聞いています。

現在、奈良県全体の年間生産量は17万立方メートルですから、そのうち1万5000立方メートルを一つの工場が安定的に使ってくれることになります。県産材需要の底上げに直結する、非常に明るいニュースだと受け止めています。

委員会では、この新工場についての県の受け止めと、県内の木材生産や関連産業にどのような影響が生まれると見ているのか、所感を求めました。

量だけでなく「ブランド戦略」を強化すべき

一方で、ただ大量に売れればいいという話ではありません。奈良の木は、吉野杉・吉野桧をはじめ、質の高さが全国的に評価されています。

私は、欧米での和食人気にともなって広がる県産木材の需要をしっかりつかまえ、「奈良の木だから選ばれる」というブランド戦略を、もっとターゲットに刺さる形に磨き上げていくべきだと提案しました。現在、県では334万円の予算で、海外向けのポータルサイトを多言語化するなど、県産材の海外ブランド戦略事業を行っています。ただ、ここ数年で木材価格や食文化の嗜好は大きく変わっています。
私は、最新の需要動向をきちんと調査したうえで、「どの市場に、どんな製品として売り込むか」「どこに投資するのが一番効果的か」を見極めて、戦略的にマーケットインしていくよう求めました。

生産目標20万立方メートルへ “使ってもらう仕組み”がカギ

奈良県内の木材生産量の目標は、年間20万立方メートルとされています。現状は17万立方メートルで、目標まであと一歩届いていません。
新工場の立地は大きな追い風ですが、そこに甘んじることなく、目標達成に向けて取り組みを加速してほしいと要望しました。

その際に重要になるのが、「エンドユーザー目線」の政策です。これまでの県の支援は、どちらかというと林業・山の維持といった上流側に重点が置かれてきた印象があります。もちろん山を守ることは大切ですが、木材が実際に使われて、住宅や建物という形になってこそ、山もお金も回ります。消費がなければ山も栄えません。

とくに、柱や梁に使われる構造材や、内装材については、家を建てる施主や工務店など「使う側」への支援を強化する必要があります。

もっと使うほど得になる補助制度へ見直しを

現在、奈良県の木の家づくり支援では、
・構造材で5立方メートル以上
・内装材で20平方メートル以上
県産木材を使った住宅を、補助の対象としています。
ただし、一定量を超えれば「一律いくら」となる仕組みで、それ以上たくさん使っても、補助額は変わりません。

石川県など他県では、使用量に比例して段階的に補助額が増える制度を採用しており、「たくさん使えば使うほどお得になる」仕組みになっています。まさに、県産材をできるだけ多く使いたくなるインセンティブが働く制度です。

委員会では、こうした他県の例も紹介しながら、奈良でも制度のあり方を検討し直してほしいと提案しました。とくに構造材はまとまった量になりますので、補助に「メリハリ」をつけることで、吉野杉をはじめとする県産材の利用をぐっと後押しできるはずです。

奈良は森林が県土の約8割を占める「木の県」です。
木材生産量を増やし、県産材の消費を広げていくことは、林業の振興だけでなく、山を守り、地域の雇用を生み、CO₂削減にもつながります。

今回の五條市の新工場を、単発の朗報で終わらせるのではなく、
「奈良の木が選ばれる流れ」をさらに太く、長く続くものにしていけるよう、
これからも委員会の場で提言を続けていきます。


永田ゆづるのホームページ    https://yuzurunagata.jp/

永田ゆづるのX(旧Twitter) https://twitter.com/yuzuru_n_nara